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カテゴリ:その他一般のレーベル の記事リスト(エントリー順)

十二人の死にたい子どもたち / 冲方丁

kage

2017/01/10 (Tue)

あらすじ。

廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫を開けると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にする決まりだった。初対面同士の子どもたちの目的は、みんなで安楽死をすること。病院の一室で、すぐにそれは実行されるはずだった。しかし、十二人が集まった部屋のベッドにはすでに一人の少年が横たわっていた。彼は一体何者なのか、誰かが彼を殺したのではないか。このまま計画を実行してもいいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、十二人の子どもたちは多数決を取ろうとする。

感想。

久々の冲方作品。ここ最近の著者は時代小説をよく出していて、それを読むのが楽しみでもあったの
でまさかの現在劇でびっくりでした。個人的にはまた時代小説も読みたいのでそこは期待したい。
今回はサスペンス的な社会派と思ったが、ミステリーだった。そして最後に救いも用意されていて
それは予想外でした。サトシ的には予想内ということになるが。

ネットでサイトを見て試験に通ると廃病院への案内が。安楽死したい十二人の子供たちが集う。
そこには既に十三人目がベッドに横たわっていた。死んでると思った全員は不思議がり、このまま
安楽死したら十三人目を殺したと世間に思われると困るので話し合いをすることに。

メイコが物語の前半と後半で豹変したといってもいい。ま、目的である安楽死がいつまでたっても
話し合いが続き出来ないので苛立つのもわかる。皆、死ぬのなら綺麗に納得して死にたいと
いうことだろう。ケンイチは常にナイスな疑問を呈していたが少しくどい感じもした。

みな、死にたくなるような動機を抱えた子供たちばかりであるも、最後は十三人目を連れてきた
人やその十三人目をベッドもまで運んだ二人などの行動や動機でさらにそれを推理する解決
する工程で、みなが死にたい願望から生きる決意を見出すところまでが上手くできている。
シンジロウがやっぱりすごいな。すべてを解決したというのもある。

一つ気になるのは、車椅子に乗った十三人目をあっさりベッドに運んでアリバイ工作みたいな
ことをしたこと。確かに十二人以外に見られたらまずいの隠す意味でも廃病院へは入れる
こともあるが。そこは読んでいておや?と思った。

しかし、総評は面白いです。読み応えがあります。著者の筆力が感じられます。

アンマーとぼくら / 有川浩

kage

2016/11/16 (Wed)

あらすじ。

休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし感動長編。

感想。

面白かった。途中で主人公が過去の自分や父親に会いに行き人生を変えてしまうような部分に
関わったことは、結局沖縄の力みたいな不思議な魅惑で語られているが、最初はSFかと思った。
そして物語の最後の方で死にたくないとあったので、東野圭吾の「時生」みたいなものかな?
と思ったがそうでもなかった。そういう意味ではこの作品は何かが中途半端で家族という素晴らし
い絆や親孝行の大事さ、継母との打ち解ける姿を描いているのが少々台無し感が個人的には
感じた。

実は晴子さんとの三日間は夢ではなった。では、いつの記憶なのかはつっこまない。それは
魂の交流であるだろうと思う。晴子さんのコブであった自分が負担にならないように晴子さんが
新しい伴侶を簡単に見つかりますようにと沖縄から東京に居を移し過ごしてきたが、それは
間違えであったと晴子さんが亡くなり、不思議な三日間を過ごし理解した。

父の克己は、ほんとうに子供のような人だった。確かに子供への愛情は不器用だし、直に
感じずらい行動でもあるが、それでも親の愛情はしっかりある。写真集は重版がかかり良かった。
でも、こういう克己さんみたいな人がモテるんだよな。

個人的には優しい物語で親子の絆や交流が描かれているのので読み応えはあったが、自分
には合わなかった。

疾風ロンド / 東野圭吾

kage

2016/11/09 (Wed)

あらすじ。

強力な生物兵器を雪山に埋めた。雪が解け、気温が上昇すれば散乱する仕組みだ。場所を
知りたければ3億円を支払え、そう脅迫してきた犯人が事故死してしまった。

感想。

久々の東野作品。面白かったです。今度映画化されると聞いて早速図書館で借りました。
安定して面白く最後まで気が抜けません。しかし、チラッと他の方の書評をみるとコメディ
タッチで描かれているのが作品の緊迫感を損なっているような部分もあり、そこが賛否
あるみたいだな。

ある研究所から細菌兵器が盗まれ、ある雪山に埋められた。埋めた犯人は事故死して
場所は不明になる。研究所の主任研究員が密命を受け探すことに。正直、簡単に雪山
が見つかった事にはあっさりだなとは思ったが、物語の疾走感を損なわないという意味で
良かったと思った。

白銀ジャックを読んでないが、白銀にも根津と千晶は出てくるみたいで疾風ロンドは続編
ではないみたいなので、安心して読めた。

シュートの恋模様も気になるが、最後のシュートの父への思いやりみたいなのも良かった。
最後までは描かれてないがきっと警察へ行ったのだろう。折口姉も最後は空港であっさり
捕まり安心したよ。

映画は千晶と折口弟のチャンバラが見ものだな。あとスキーやスノボの腕前も。楽しみです。

陸王 / 池井戸潤

kage

2016/08/28 (Sun)

あらすじ。

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。
チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?

感想。

安定の面白さ。企業物+スポーツというと著者のルーズベルトゲームを想像するが、今回は
足袋製造業者とマラソンという組み合わせ。いつもの爽快さと胸熱展開が読み手を凄く
満足させてくれます。アッパー素材とか少しご都合主義もありますがそんなことは気に
なりません。これはいつかドラマ化されますね。多分。

百年の老舗の足袋製造業者のこはぜ屋がジリ貧の業績を立て直すため、新規事業と
してランニングシューズを開発することに。そこで過去に発売したマラソン足袋をもとに
開発していくが・・・

とシルクレイやアッパー素材と苦労はあるも比較的に簡単にすばらしい素材が見つかる
のが少々、ご都合主義だが、陸王が出来ていく過程が良かった。飯山も憎まれ口を
たたくが元経営者でどん底を味わったので人情がありいいやつである。

大地に一番感情移入できた。就活が上手くいかず腰掛で親のこはぜ屋で働く。働き
ながら就活するも上手くいかない。しかし、陸王開発チームに入り、陸王の開発に
携わり苦労していき完成させていく過程が面白く、就活の面接でもそれを熱く語る。
優良企業に内定貰うもこはぜ屋の仕事が面白く辞退しようとするも宮沢は行けと
いう。世の中で修行して来いと。そしていつでも戻って来いと。熱いね。いい。

茂木選手のどん底の時期に人がどんどん去っていき、いい時期には人がすり寄ってくる
とは、マラソン選手だけの悩みではなく普通の人間関係でも往々にしてある。
その茂木選手の境遇や考えたかにも共感できた。自分も人間関係でどん底の時期に
去られた経験がある。茂木を陸王を最後に履いていたのは爽快だった。

ドラマ化必至の感じで読めました。最高です。面白かった。

君の膵臓をたべたい / 住野よる

kage

2016/08/27 (Sat)

あらすじ。

内容紹介

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。


感想。

著者のデビュー作。自分は二作目のまた同じ夢を見ていたを先に読んでいました。なので
著者が、心地いいというか心にくる物語を書いてくれるんじゃないかという期待はありました。
その期待に応えるかのごとく、この作品も感動的でした。

膵臓の病気を抱え余命が少ない女子高生が、同級生の男子高校生に秘密を知られ
その縁から、一緒に遊んだり秘密を共有してしたいことをしたりとする。同級生に病気を
秘密にする華やかな女子高生は地味な男子高校生と遊ぶことを周りから不思議がられる。

そんな内容から始まるが、全部読んだ感想は、「四月は君の嘘」に全体的な雰囲気は
似ているなというのがありました。だって男子高校生のことを前から気になってたという
こととかね。

男子高校生の戸惑いと女子高校生を特別に扱うことなく、ぼっちらしい感性はわかる。
しかし、描写にも少しあるが可愛い子からこんなふううに仲良しになれたら、もっと舞い上がっ
てもいいはずだよなと思うが。

最後は恭子さんと仲良くなれて良かった。時間はかかったみたいだが、遺言を果たしたのだ。
ここは主人公はよくやったな。友達になってくださいといったとこは感動的だったよ。

著者は良い物語ほんと書くよね。次回作も凄い期待しちゃう。