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カテゴリ:その他一般のレーベル の記事リスト(エントリー順)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする / 七月隆文

kage

2017/02/05 (Sun)

あらすじ。

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、
交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな
秘密隠されていて。

感想。

映画化もされ、原作も100万部突破した作品。半年以上待って図書館で借りれた。著者の作品
は「君にさよならを言わない」を読んでいる。そしてラノベの庶民サンプルを書いた人でもあり、
読み易さには経験がある。題名から、そしてタイムリープものかな~と読んでいても伏線が
分かりやすく想像もついた。ただ、設定が想像と全然違い、頭が設定に馴染めないという頭が
悪く理解が覚束ない。

一目惚れした女の子をナンパして交際にこぎつける。彼女と一夜を共にした日、彼女が自宅に
メモ帳を忘れて行った。そこには未来の自分との出来事が簡単に書いてあり・・・

時間が主人公と女の子が逆方向に進むという難しくて簡単なでも思いつかない設定で唸らされた。
主人公が子供の頃の震災をおばさんだった女の子が救う。主人公が大人な頃に屋台での爆発
から子供の女の子を救う。どっちが先か後かこんがらがるし考えてしまう。

タイムリープものSFは名作が多い。アニメでも小説でも。自分も大好きである。
女の子はパラレルワールドの住人で五年に一回しかこちらの世界にはこれない。
そんな中でお互いが同い年なのは今だけ。

面白かった。庶民サンプルみたいにラノベも書いてほしいが、このまま一般の大衆文芸方面
での作品でまた面白いものを書いてほしいものである。

ユリゴコロ / 沼田まほかる

kage

2017/01/30 (Mon)

あらすじ。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間
の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか。

感想。

久々の沼田まほかる作品。デビュー作が強烈に面白かったので気になる作家でもあります。
著者もイヤミスに分類される作品群を多く書いているというか、イヤミスとよく言われる。
つくづくイヤミスを手に取ってみることが多いかな~とふと思ったりします。

今回は、余命幾ばくもない父の家で古いノート4冊を発見した。その内容は生々しい過去が
有り、殺人をしtがことを記載してある。それは自分の母の所業か?気になり最後まで読み
始める。そこで父にも尋ねると真実が見えてきて・・・

物語の前半はノートを読んでいることになるが、内容が読んでいて辛かった。殺人衝動という
やつが心に自然と沸き上がり実行していくさまは読んでいて憂鬱になります。そのまま著者
なら突っ走るだろうと身構えていたら、物語の後半から救いがあることがあった。それで
読後感が大分違う。救いがあって良かった。

湊かなえさんもそうだが、デビュー作が強烈に面白いと次作から比較されるので大変だろう
と思うも、その作者たちの作品を追いかけてしまいたくなるので成功している。

また著者の作品は3つしか読んでいないので、機会を見て他も読もうと思いました。

ポイズンドーター・ホーリーマザー / 湊かなえ

kage

2017/01/28 (Sat)

あらすじ。

女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが…。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く(「ポイズンドーター」)。呆然、驚愕、爽快、感動―さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!

感想。

これぞ!湊かなえというまさしく初期の頃を彷彿させる黒さだ。衝撃的な人間の毒をまき散らして
イヤミスと呼ばれる著者の作品ですが、その濃度が濃すぎて読後感が憂鬱になります。
しかし、短篇集が向かない自分でも読み応えが有り面白かった。自分は男ですが母娘の関係の
複雑怪奇で同性だからこその繊細さが難しい。母息子でも当然、関係は色々あるが、異性の分
違うのかな~と思ったりする。

脚本家が庇った話は死んでしまったが、多少救いはあったが、他の話は救いがなかった。
ここ最近の著者の作品は昔に比べてイヤミスというよりは色で言うと白って感じでしたが、
この作品は黒です。こういう作品を待っていた人が多いと思う。自分もそうだ。しかし、実際に
刊行され読んでみると圧倒され、白い著者に慣れ切っていた人たちに一石を投じた感じだ。

今まで著者の作品は刊行されたのはほぼすべて読んでいるが次も期待したい。

四月になれば彼女は / 川村元気

kage

2017/01/21 (Sat)

あらすじ。

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と―。天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか―。失った恋に翻弄される、12カ月がはじまる。

感想。

「世界から猫が消えたなら」「億男」がライトだけどテーマもしっかりしていて考えることもあり読み応え
もあった。今作はどうか?この作品も愛する、愛される、それを確認できる術はなく一瞬のことである
とテーマは難しく、ぼっちな自分には考えはするけど感情移入は困難な作品でした。そして個人的
には無駄にシリアスで前2作の雰囲気を継承してなく俗な小説と感じた。

ハルと大島の間に有ったことが、ぼやけて描写され消化不良だった。結構重要な事が察しろでは
個人的には面白くない。綺麗に創作しようとの試みだとも感じるが・・・・。

主人公の自分の事が良くわからない、好きな物がない、のめり込むものがないみたいな感情は
よくわかる。自分は熱しやすく冷めやすい所もあるので、そういう主人公の部分もなんとなく分かる。
弥生も同じ人種だ。自分がどうなのか理解していない。よく考えてみれば等しく誰でもそういう部分は
抱えてると思われるが、リア充などは毎日楽しいのだろうな。人生、深く考えても深みにはまるだけ
なので刹那的に生きた方が楽かも。それが出来れば苦労はしないが。

個人的には最後は救いがあったが全体的に重く暗い湿った雰囲気が馴染めず面白味は感じない。
しかし、次作も読むと思う。期待したい。

十二人の死にたい子どもたち / 冲方丁

kage

2017/01/10 (Tue)

あらすじ。

廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫を開けると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にする決まりだった。初対面同士の子どもたちの目的は、みんなで安楽死をすること。病院の一室で、すぐにそれは実行されるはずだった。しかし、十二人が集まった部屋のベッドにはすでに一人の少年が横たわっていた。彼は一体何者なのか、誰かが彼を殺したのではないか。このまま計画を実行してもいいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、十二人の子どもたちは多数決を取ろうとする。

感想。

久々の冲方作品。ここ最近の著者は時代小説をよく出していて、それを読むのが楽しみでもあったの
でまさかの現在劇でびっくりでした。個人的にはまた時代小説も読みたいのでそこは期待したい。
今回はサスペンス的な社会派と思ったが、ミステリーだった。そして最後に救いも用意されていて
それは予想外でした。サトシ的には予想内ということになるが。

ネットでサイトを見て試験に通ると廃病院への案内が。安楽死したい十二人の子供たちが集う。
そこには既に十三人目がベッドに横たわっていた。死んでると思った全員は不思議がり、このまま
安楽死したら十三人目を殺したと世間に思われると困るので話し合いをすることに。

メイコが物語の前半と後半で豹変したといってもいい。ま、目的である安楽死がいつまでたっても
話し合いが続き出来ないので苛立つのもわかる。皆、死ぬのなら綺麗に納得して死にたいと
いうことだろう。ケンイチは常にナイスな疑問を呈していたが少しくどい感じもした。

みな、死にたくなるような動機を抱えた子供たちばかりであるも、最後は十三人目を連れてきた
人やその十三人目をベッドもまで運んだ二人などの行動や動機でさらにそれを推理する解決
する工程で、みなが死にたい願望から生きる決意を見出すところまでが上手くできている。
シンジロウがやっぱりすごいな。すべてを解決したというのもある。

一つ気になるのは、車椅子に乗った十三人目をあっさりベッドに運んでアリバイ工作みたいな
ことをしたこと。確かに十二人以外に見られたらまずいの隠す意味でも廃病院へは入れる
こともあるが。そこは読んでいておや?と思った。

しかし、総評は面白いです。読み応えがあります。著者の筆力が感じられます。