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丕緒の鳥 十二国記 / 小野不由美

kage

2015/10/16 (Fri)

あらすじ。

「希望」を信じて男は覚悟する。慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射」とは、鳥に見立てた
陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒は、国の理想を表す任の重さに苦慮していた。

感想。

短篇二篇に書き下ろし二篇の短篇集。面白かったです。今回は、王や麒麟を主人公にするのではなく、
下級官吏や民を主人公に十二国の暮らしぶりを描く。下々の暮らしや考え方を知ることによって、この物語
をより一層の深みを増した気がします。そして、皆が、国の将来を憂いたり、希望を抱いたり、助け合ったり
と心が前向きになるのと同時に苦しくもなりました。各篇の感想です。

・丕緒の鳥
王に、自分の思いを「大射」の儀式で伝えるということに苦心する様は、忠義でもある。予王には上手く
いかなかったが、陽子には上手くいって良かった。陶製の鳥の奏でる楽はさぞかし美しいのだろう。

・落照の獄
国が傾きつつある現状で、何人も躊躇無く殺人を犯す犯罪者を死刑にするか悩む司法官の話。これが
話が深く重く、一番印象に残った。民の意見や遺族の意見は問答無用というか理屈ではなく死刑を望む
が、司法官として簡単には死刑というのは下せない。国が傾いている中での適用は前例を作るだけで
、且つ、乱用を誘発しそうという懸念もある。司法官の下した結論は、正しいのだろう。

・青条の蘭
郷里の森を守ることは、ひいては山を守り国を守ることになると何年も対抗策を研究して見出すも、下級
官吏のため、又、中級官吏が腐敗しており王には意見が届かない。そんな中、必死で蘭を届けようと
する気概と姿勢は感動する。知らない人々が標仲の気持ちを汲んで助け合う姿が心を温かくする。
結果は描かれてないが、上手く行って欲しいものだ。

・風信
国が貧しく、荒れているなかで、どこか浮世離れした暦を作る仕事をしている屋敷。そこで身寄りのない
主人公は溶け込むも、空行師に襲われ、浮世離れした人々に憤慨してします。しかし、暦は人々には
必要なもの、それしかできないという。そういうものだろう。

面白かったです。色々な人にスポットライトを当てることで世界観が凄く広がり精緻で密な物語が読み応え
につながり、面白いです。次も楽しみ読みたいです。


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kage


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