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鹿の王(上) 生き残った者 / 上橋菜穂子

kage

2015/09/27 (Sun)

あらすじ。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまる―。

感想。

凄く面白かったです。精霊の守り人で有名な著者の作品です。本屋大賞にも選ばれています。流石の筆力
に脱帽です。きめ細かい設定に構成、ややもすれば上巻は下巻に対する舞台設定に終始するのですが、
この作品はそうではなく、物語を魅せます。少々、地理が分かりづらいのは自分の想像力が乏しいのが
原因だが、地図があれば良かったな。

東乎瑠帝国に支配されてしまったトガ山地のヴァン、同じく東乎瑠帝国に支配された故オタワル聖領の
医術師のホッサルの二人主人公の物語。それぞの男の物語を交合に描き、いつ二人が邂逅するのか
楽しみだ。この作品は、黒狼熱という病を軸に話が進んでおり、これが物語の解決に大いに関係する
のだが、ただそれだけではない。大きな問題として侵略者と侵略された者の複雑で簡単でない物語
が根を張っており、壮大な物語に変化している。非常に読み応えがあります。

ヴァンは、幼子のユナを助け、逃亡奴隷としての身分であるも特別な喜びを得る。半仔に噛まれても
生き延び、特別な感覚が生まれる。それが、犬と感覚が一体となるという不思議なもの。飛鹿乗り
のヴァンに今後の影響が気になるな。ユナが攫われたのは、襲ったものの意図はなんなのか。
サエとも会ったがサエが見逃した理由も不明だ。何か考えがあるのかな。

ホッサルは代々、医術師の家系。オタワル聖領の貴人。黒狼熱の治療方法を探す。次第に病の
出所となる陰謀の渦へ行くことになる。やることは病の治療なのだが、複雑な事情に関わるの
は面白い。徐々にヴァンとの距離が縮んでいくのが見て取れる。

下巻では、首謀者とおぼしき火馬の民の部分も出てくるし気になるところ。ただ、病を治療する
ということだけでは終わりそうにない。人間の感情の赴く先がどうなるのか、楽しみだ。

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kage


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