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月と蟹 / 道尾秀介

kage

2015/07/02 (Thu)

あらすじ。

海辺の町、小学生の慎一と春也はヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを考え出す。無邪気な儀式ごっこ
はいつしか切実な祈りに変り、母のない少女・鳴海を加えた三人の関係も揺らいでゆく。

感想。

道尾作品は2作品目。今作は直木賞受賞作。小学生の葛藤を描いた力作だ。始めは単なる日常な作品か
な~、と思っていたら、小学生らしい残酷な遊びと小学生らしからぬ大人びた葛藤と悩みが渾然一体となって
読者を引き込んでいく内容は素晴らしいです。

転校してきた慎一は友達も居なかったが、同じ境遇の春也と遊ぶようになる。そしてヤドカリを近所の山の
洞窟に飼うことを始める。そしてヤドカリを火で炙り出し、中身を神様に見立て願い事を祈る。そうしたら祈り
が・・・・・・。

春也と慎一に鳴海が加わり人間関係も複雑さを増す。鳴海が春也との距離を縮めていくに従って面白くな
い慎一の心境、そういう中で春也の不幸を願う慎一の心が人間の醜さである。そういうのは小学生では
少し大人びている。がリアルな心情でもある。

慎一の母と鳴海の父の情事というか恋愛も、二人の子供にとっては深刻な悩みだ。そんな慎一は鳴海の
父の車に忍び込み、知ってしまうのも酷だった。そしてヤドカミ様にあることを願うのが、肝だ。春也が
実行犯だと理解していて願う。しかし、直前でそれを思いとどまらせる行動は大胆だ。そこで見た幻は
本物だと思えてしまう。

前に読んだ著者の作品の「球体の蛇」もそうだが、暗い話が得意な感じだ。実力のある著者の作品は他
にも読んでみたいので要チェックだな。

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kage


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