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カテゴリ:文春文庫 の記事リスト(エントリー順)

聖女の救済 / 東野圭吾

kage

2017/05/22 (Mon)

あらすじ。

資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出され
ていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に
魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが・・・。

感想。

ガリレオシリーズ。長編の第三弾かな?。今回は、容疑者は早々に明かされる展開だが、
トリックや動機が中々難しく、判明しない。完全犯罪か?となる難しい事件に立ち向かう
草薙刑事や内海刑事や湯川学が読んでいて苦戦するも地道な捜査などで証拠を探って
いく様は良かった。

殺された真柴氏の主義はそうとうなものだ。しかし、真柴夫人の用意周到というか一年も
前からの毒物の仕込みには相当の執念や意志の強さを感じる。津久井との関係も草薙
の地道な捜査から浮上した女性がしっかりと関係していた。毒物の入手経路もそこから
とはね。

草薙が真柴夫人に恋をしているという設定だが、確かに魅かれている感じだったが、
恋というほどの描写がある感じは感じなかった。草薙が揺れる想いを抱くも捜査には
影響しないブレない警察としての人柄が素晴らしいですね。

ガリレオシリーズも残すは2作品のみ。早く読みたい。そしてまだ途中の加賀恭一郎
シリーズを再開したい。

予知夢 / 東野圭吾

kage

2017/03/30 (Thu)

あらすじ。

深夜、十六歳の少女の部屋に男が侵入、母親に猟銃で撃たれた。男は十七年前に少女と結ばれる夢を見たと言う。天才科学者湯川、参上

感想。

ガリレオシリーズ第二弾!今回はオカルト色強めの短編が多かった。それ故に湯川助教授の科学
の推理が一層に際立って、謎の解決が面白味を増した。謎自体は湯川助教授が解決したが警察
の方で事件の真相がというか証拠不十分で完全解決とはいかないところもあり、そういう持っていきかた
もあるのかと思った。

「予知夢」「幽霊」「ポルターガイスト」とどれもどういうトリックがあるのかと思った。そしたら見事に
手掛かりから真相にたどり着き科学で謎が解明された。実に爽快である。しかし、自分は短篇は
個人的に好みではない。なぜならあっさり感があり重厚さを欠く。しかし、このシリーズは短篇は
相性は悪くない。この巻も多くがドラマ化されているみたいだが見ていないので新鮮だった。

第三弾は直木賞受賞作の容疑者Xの献身。しかも長編でかなり期待大である。
もう図書館で借りてある。早速読みます。

ペテロの葬列(下) / 宮部みゆき

kage

2017/02/25 (Sat)

あらすじ。

杉村三郎らバスジャック事件の被害者に届いた「慰謝料」。送り主は?金の出所は?老人の正体は?
謎を追う三郎が行き着いたのは、かつて膨大な被害者を生んだ、ある事件だった。

感想。

下巻。上巻で散々に人間の闇に深入りはしてはいけないと思うも、下巻も読み惹かれてしまった。
下巻でも人間の闇が深く、毒が回りそうである。自死したバスジャック犯からの慰謝料の出所を
追う、被害者一同で。

詐欺師がすさまじく、マルチ商法の怖さはほんとに怖いな。被害者が自然に加害者になっている状況
が不幸の連鎖を産んでいる。暮木老人の過去も優秀なトレーナーであり、詐欺師であり、ある人物
をさらしあげた経緯がいや目的がいまいち自分は理解力が乏しいので理解が進んでないが、坂本
くんが、バスジャック犯人になったのは、ほんとに驚いた。

しかし、ほんとに驚いたのは菜穂子である。今までの菜穂子からは考えられないことをしでかした
ので三郎が気の毒だ。菜穂子は体が弱く、父親の庇護の下で不自由なく暮らしていて自分でも
一人では生きているという状況ではないのは理解している。しかし、やきもちやきだといっても浮気を
するのは三郎が救いがない。三郎の人生を返したい、やり直すには一度離婚して離れる。
三郎もやり直すことを考えているのか?

しかし、杉村三郎シリーズは救いがない。人間の闇の深さがエグイ。早速、最新刊も読まねば。

ペテロの葬列(上) / 宮部みゆき

kage

2017/02/06 (Mon)

あらすじ。

「皆さん、お静かに。動かないでください」。拳銃を持った、丁寧な口調の老人が企てたバスジャック。
乗客の一人に、杉村三郎がいた。呆気なく解決したと思われたその事件は、しかし、日本社会の、
そして人間の心に潜む巨大な闇への入り口にすぎなかった。

感想。

杉村三郎シリーズ第三弾の上巻。相変わらず筆者の書く物語は圧倒的な面白さを感じます。
そしてこのシリーズは読むと人間の嫌な部分をクローズアップしているので嫌な気分にもなり、
憂鬱にもなります。しかし、一気読みしてしまうほどに惹きこまれます。

今回は取材で訪れた元役員の家からの帰途でバスジャックに遭う。警察の突入で事件の解決
も呆気なかったように思われるもまだまだ謎は尽きなかった。そしてグループ広報室でも問題
が発生。二つの問題を同時進行で進めて行くと思われる下巻が楽しみで早く読みたい。

編集長である園田女子の意外な過去が明らかになり、辛い過去が有ったことに普段感じる
強い女性が印象を異にするところもある。STとかいう研修は多分だが実例を基にしたことだろう
と推察する。企業の研修など最近はCSRや色々世間がうるさい事もいうが昔は凄そうだ。

杉村が会長に預けた退職届。社に迷惑が掛かるという理由で預けた訳だが、どうなるのか。
杉村もほんとに探偵みたいになってきたな。そのうちホントになったりして。

早く下巻を読んで、最新作の希望荘も読みたいです。

名もなき毒 / 宮部みゆき

kage

2016/12/04 (Sun)

あらすじ。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカー
だった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレームぶりに振り回される。

感想。

杉村三郎シリーズ第二弾!今回は600Pのボリュームで大変に密度が濃く読み応えが有りました。
タイトルは無差別毒殺事件の事かな~と思っていたが、全く関係ない事はないけど、タイトルは
深い意味があって人間が抱えている闇そのものと言ってもいいですね。読んでいて背筋がゾッと
しました。

今回は、グループ広報室のアルバイトの原田いずみというトラブルメーカーを解雇した事と、世間で
起こっている無差別毒殺事件の二本の軸を中心に物語が進みます。また杉村の悪い癖でお節介
が過ぎ、事件に踏み込んでいく様は面白いけど、犠牲にしているものも有り物事は上手くいかない。

原田いずみの性格、人を傷つける性格を恐ろしいと思いました。人は誰しも無自覚に人を傷つけて
いるものですが、原田いずみはサイコパス並みに傷つけます。結局、そうする原因というか、そうな
った経緯が語られていなかったのでそこは消化不良ですが、今回の肝でテーマとでも言うべき
人間からにじみ出てくる毒というものにぴったりの人物でした。

悪意があってら余計ですが、そうでなくても人間から出てくる毒というものは何なのか?という
深いテーマは今後のこの作品の根幹に据えられると思います。

主人公の杉村は今回の騒動で家庭に違和感やぎくしゃく感を残してしまった。これも人様に勝手に
深入りしてしまう、人の注意喚起も聞けない状態で突っ走るという悪癖がもたらした産物だ。
探偵になればいいとか言われていたが、ホントになりそうで、その時は家庭崩壊しそう。

全体的に暗い雰囲気の内容だが、著者の筆致に惹きこまれます。続巻も出てるので図書館へ
GO!します。